米メーン大学のクレイ・ホイーラー化学工学教授は2段階で木質繊維のセルロースから石油を作り出す方法を見つけた。この方法はこれまでのバイオ燃料製造法に比べてシンプルで、ガソリンやジェット燃料、ディーゼルなどに精製することができ、燃料効率の敵である酸素をほぼ全面的に除去できる。
11カ月前に2人の学生ととともに偶然この方法を見つけた同教授は「ユニークでシンプルな方法だ」とし、「複雑になればなるほど、金がかかることになるため、シンプルであることは重要だ」と話した。
追加の研究が必要だが、これが採算にあうようになれば、森林資源の豊富なメーン州は製材で余った木材を使って独自に石油を生産できるようになるかもしれない。
方法はまず、木材を硫酸に浸してセルロース内の糖分を分離し、エネルギーを多く含む有機酸混合物を作る。次にこの混合物を水酸化カルシウムとともに反応炉に入れて、セ氏450度に熱する。この過程で酸素が除去される。こうしてできるのが炭化水素液で、化学的に原油に似ている。
セルロース1トンでできるのは約1.25BOE(石油換算バレル)。BOEは原油1バレル(159リットル)を燃焼させたときの熱量を1とした単位。
この方法で最も高価なのは木材そのもので、ホイーラー教授は、現在の木質バイオマスの価格では伝統的な原油精製と経済的に競争できないことを認めている。ただ、同教授は「石油資源はますます残り少なくなっていくため、この方法での燃料の価値は上昇し続けるだろう」と語った。
代替エネルギーなどを専門に扱うグリーン・ケミストリー誌は、他の代替エネルギーとは違って触媒やバクテリアを使わないこの方法についての研究結果を今年中に発表する計画だ。
この方法が偶然に発見されたことから、ホイーラー教授は反応炉の中で実際に何が起きているのか分かっていない。このため教授は現在、その仕組みの解明に当たっているところだという。








