金融危機で打撃を受けたバイオ燃料業界だが、いま英BPや英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどをはじめとする石油大手が次々と参入している。これまで「非現実的」として消極的だったエクソン・モービルのような保守的な企業も、7月には海藻燃料のベンチャー企業に6億ドルの投資を発表した。
ガソリンやディーゼルを収益源とする石油会社が代替エネルギーに関心を持ち出した理由は、先進国の間で定着しつつある低炭素政策だ。例えばアメリカでは、再生燃料基準により2022年までの代替エネルギー販売量が規定されている。米エネルギ―省はアメリカ全体の代替エネルギー生産量を2030年までに4倍以上にすることを目標にしており、石油大手の従来事業は必然的に痛手を被ることになる。
バイオ燃料業界側も、石油大手が投資の的を絞ることでメリットを享受できる。BPやシェルといった企業は長年クリーンエネルギ―分野全般にランダムな投資をしてきた。だが昨年BPは利益が見込め、既存の事業にフィットする投資のみを選び始めた。
今年3月にはシェルも風力と太陽エネルギー分野は拡大せず、CO2の回収・貯蓄技術に伴うバイオ燃料に専念すると発表した。
石油大手各社はバイオ燃料の中ではとうもろこしを原料としたエタノールは避け、セルロース原料のものなど、食用穀物に頼らない次世代型燃料に狙いを定めている。
こうした大手のバイオ燃料投資は大きな投資余力の中の微々たる部分を占めているに過ぎないと、冷ややかな目を向ける業界関係者もいる。
例えばシェルは昨年だけでも320億ドルの投資予算を持っていたにもかかわらず、過去5年間で代替エネルギーやCO2の回収・貯蓄のような技術に費やした資金は、17億ドルだった。BPの昨年の代替エネルギー投資は14億ドルで予算の6%に過ぎず、今年は更なる削減が予定されている。
だがこれは現時点で始動段階にあるだけで、長期的な流れではビジネス展開とともに来年あたりから投資が活発化するとみる向きもある。資金面だけでなく、技術面や大型商業プロジェクトの実行などで石油大手の運営ノウハウが生かされることも重要なメリットになるという。
将来、様々な市場に合わせて強度を調節した一連の低炭素製品を提供するために、石油大手がバイオ燃料の精製コンビナートを建設するとの観測もある。









