中国で5月に開幕する上海国際博覧会(上海万博)で、日本政府と企業・団体が共同出展するパビリオン「日本館」に、二酸化炭素(CO2)を排出しない未来の都市「ゼロエミッションタウン」が登場する。
太陽光パネルや環境対応車(エコカー)など日本の先端技術のほか、下水を飲用水に処理する最新の水システムも紹介。
「環境の日本」を世界にアピールして、今後世界的に需要が高まる環境関連技術や水ビジネスの国際展開につなげることを目指す。
日本館の名前は「紫蚕島(日本語愛称・かいこじま)」。
敷地面積6000平方メートルで、政府のほかキヤノン、トヨタ自動車、パナソニックなど約20の企業・団体が「こころの和・わざの和」を共通テーマとして出展する。
「地球温暖化問題など人類が直面するさまざまな課題を、日本と中国が技術や人の協力によって解決しよう」とのメッセージを込めた内容になる。
展示の目玉の一つがゼロエミッションタウンだ。
CO2を排出しない2020年の街の姿をセットなど実物大で表現するのが売り。
風力発電や次世代型送電網(スマートグリッド)、燃料電池自動車に水素ガスを供給する「水素ステーション」などが立ち並ぶ風景を写真で立体的に作り出し、エコカーや省エネ家電を配置。窓ガラスに張り付けて発電する「太陽光発電窓ガラス」、人や車が通る圧力で電気を生む「発電床」など、実用化に向けて開発が進む先端技術の実物も展示する。
また、下水を日本のろ過膜技術などで浄化し、飲用水として供給するシステムも紹介する。
中国では急激な工業化で水需要が急増する一方、湖水の汚染が社会問題化している。
日中両政府は昨年11月に北京で開かれた「日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で、水質浄化などに関する協力で合意したばかり。
日本側は、技術を広く紹介し、中国での技術導入やビジネス展開に弾みをつけたい考えだ。
◇「輸出産業」期待
上海万博で最新の環境技術を展示する日本側の動きの背景には、環境技術を有力な「輸出産業」に育て上げたい政府の思惑がある。
政府は昨年12月に公表した成長戦略の基本方針で環境分野を柱に据え、日本の技術で20年までに世界のCO2排出量を13億トン削減するという目標を設定した。
アジアでのインフラ整備協力や「システム」の輸出に力を入れる方針も掲げる。
政府は急成長する中国市場を意識しながら、「万博史上最大の7000万人の来場を見込む上海万博で環境や水関連技術をアピールし、中国、世界への売り込みにつなげたい」(経済産業省幹部)と展示の成功に意欲を示している。







